「メリークリスマス、ナナちゃん」


「メリークリスマス! フィン」



 手紙でやりとりしていたとしても、やっぱり実際に会うのは違う。


 それに、今日は私の気持ちを伝えるんだから。



「はい、今年のプレゼント」


「私もプレゼントあるよ! マフラーをリベンジしたの」



 知らずに間違えて入れたイニシャル入りマフラーをフィンはちゃんと首に巻いてくれていたが、ちゃんとしたのを贈りたかった。


 フィンは喜んで二枚とも首にグルグル巻いて顔をうずめる。



「ありがとう。前のより上手く編めてるね」


「前のは、初めてだったから……」


「フフッ、穴が開いてるのが丁度よく埋まって温かい」



 褒められてる気が全くしないが、喜んでる姿を見るのはサンタじゃない私だって嬉しい。


 クリスマス以外にもフィンとこんな風に会えたら良いのにと思っていると、笑顔だったフィンの顔が曇る。



「どうしたの?」


「うん……今日はお別れを言いに来たんだ」


「えっ!? なんで? どうしてよ!」



 心臓が悲鳴を上げるようにドキドキと鳴り、今年こそは泣かないと決めていたのに涙が溢れてくる。


 フィンは「ごめんね」と呟いて私の頭を撫でる。私はその手を振り払う。



「な、なんでよ! 子供扱いしないで!」



 私の態度に驚いた表情を見せ、あの困った笑顔を浮かべ私を見つめて話す。