「あれ!? もう届いてる? 俺のところにちゃんと手紙が来てたはずなんだけどな……グリプの奴が手紙をぶちまけてたから混ざったのか?」



 ポケットから紙とペンを出して配達リストらしきものをチェックする。今度は私がクスクスと笑ってプレゼントを差し出す。



「これは、私からサンタさんへのプレゼントだよ」


「俺に? 吃驚した。届けるばっかりで、まさかプレゼントもらえるとは思ってなかった。ありがとう」



 お互いの包みを交換して中身を確認するが、私は彼の反応のほうが気になってしかたなかった。


 包みから出された手編みのマフラーを見て彼が固まってしまう。


 一生懸命編んだけど、手編みなんてやっぱり嫌だったかな?


 どうしようかと不安になっていると彼は満面の笑顔で私を抱きしめた。



「ありがとう! クリスマスなんて寒い中プレゼント配って大変なだけだと思ってたけど、プレゼントもらうとこんなに嬉しいもんなんだな」



 小さいころは自分から抱きついたりしていたけど、なんだか恥ずかしくて体が固まる。


 そんなこともお構いなしに彼は何度も力を籠めて私を抱きしめた後、立ち上がってマフラーを自分の首に巻いた。