夫婦が帰宅しました。


いつもの通り、娘はとても元気に、息子は静かに出迎えてくれました。


でもそんな事、今の夫婦には関係ありませんでした。


「おいお前!ちょっとこい!」


父がそう言い、息子の腕を思い切り引っ張りました。

何も知らない息子は少し涙目になりながら、少し震えながら引っ張られていきました。


取り残された娘と母はどうしていいのか分かりません。

「お兄ちゃんはどこに行っちゃうの?お父さんは?」

と、涙目で母に問いかけました。

「…大丈夫よ。少し学校の事でお話をしに行くだけだから。」

と母は笑顔で答えました。


すると…娘がいきなりこう呟いたのです。


「お兄ちゃん……学校で皆に悪口…言われてた………」

その言葉が母の耳に入った途端、母はいきなり慌てだしました。

「なっ!?じゃああの子がイジメをやっているって嘘だったの!?は、はやく止めないと!!!」


その時の母は異常なまでに慌てていました。