虹色研究部 - ニジケン -

「あれはね、星城高校伝説のカレーパンなの」


「伝説のカレーパン?」


首を傾げる私を見て、クスッと笑った和田先輩は、艶やかな黒髪を耳に掛ける。


「購買のおばちゃんの手作りでとっても美味しいのに、お昼休みきっかりから一日に五個しか販売してないの」


一日にたったの五個!?


「だから根強いファンが居て、買うのはもう大戦争! 少なくとも女子は買えないわね。大抵運動部の男子が持ってっちゃうわ」


「そんなに価値がある物だったんですね。私、知らないで食べちゃいました」


思い返せば確かに、トロッとしたルーにはコクがあって、すごく美味しかった。