虹色研究部 - ニジケン -

「卒業式が終わってから、一度も会ってないから」


私の言葉に、トミーが「嘘ッ!?」と大きな声を上げた。

何事かと、周りにいた生徒達の視線が集まる。何より私は耳がキーンとしていた。


「トミー声が大きいよ!」


「ごめんごめん。でもあんなにベッタリだったから、一度も遊びに来てないなんて驚きでさ!」


「……そうなんだよね」


私は思わずまつ毛を伏せる。

ふぅーっと長く出たため息が、空を登っていった。


「あっ、今日から部活の勧誘も始まるよね。ニジケンは何かするの?」


トミーは下駄箱で靴を履き替えながら、薄っすらと苦笑いを浮かべた。私の異変に気付いて、話題を替えてくれたのだろう。


「具体的に何か活動してるわけじゃないし、特に勧誘する予定はないかな。とりあえず様子見って感じ」


私はフッと口元だけを綻ばせる。

部長になった蘭先輩と話し合って決めた事だ。


「――ちょっと乃季! あっ、あれ……!」


再びトミーが大きな声を上げた。

目をまん丸にした彼女は、私の後ろを指差して固まっている。