虹色研究部 - ニジケン -

「床は白い梅のカーペット、空には白い秘密鳥。何だか俺の心まで白く清くなった気がするなー」


両手を広げたままの國枝先輩は、首だけ後ろに振り返ると、ポカンと口を開けていた私にそう言った。


「……いえ、より一層真っ黒になっているはずですよ」


私はため息交じりに呟く。

今日の彼の背中には、本当に黒い羽根が見えてきそうだ。


「あっ、そうだ! 言うの忘れてた。あの中には乃季の秘密も入ってたんだよ。どうせならと思ってねー」


……今、悪魔の羽根が確かに見えた。


「わ、私の秘密……!?」


「そう。俺だけが知ってる、乃季のヒ・ミ・ツ」


この地獄絵図の中で、一人幸せそうな笑顔を浮かべる彼に、私の中でプツンと何かが切れる音がした。


「このっ……悪魔ーー!!」


私は震えた声で叫ぶと、慌てて白い秘密鳥を追い掛ける。

「あぁっ!」と悶える声が聞こえた気がしたけれど、私は振り返ることなく群衆に向かって走っていった。