虹色研究部 - ニジケン -

「えっ、それ俺に?」


嬉しそうに花束を受け取った國枝先輩は、その内の一本を抜き取ると、胸のポケットに差した。

花びらのないそれを見つめると、誇らし気に胸を張る。


「……卒業おめでとう、燈」


蘭先輩は視線を落としながら、恥ずかしそうにポツリと呟く。

すると國枝先輩は堪らず蘭先輩に飛び掛かった。


「うわっ! 重いから下りろよ」


「やだ! 絶対に下りない!!」


子猿の様にベッタリとへばり付く國枝先輩を、うっとおしそうに振り払う蘭先輩。

素直じゃないその口は、柔らかな弧を描いている。


「部長! 準備出来ました!」


どこからともなく現れた滝口先輩は、國枝先輩に何やら怪し気なリモコンスイッチを渡す。


「今度は何のスイッチですか……」


毎度のごとく、嫌な予感しかしない。額に汗がじわりと滲んだ。