虹色研究部 - ニジケン -

バサッと大きな音が鳴り、ビニールシートが外された。

たちまち砂埃が舞い上がると、やがてその中から五メートル程の木が堂々と姿を現す。


「……あれ? ただの木?」


少し離れたこの場所から見る限り、何の変哲もない、ただの木に見える。

皆も同じようで、予想していた悲鳴ではなく、動揺のざわめきが起きた。


「ちっ、違う! 木に何かが沢山ぶら下がってるぞ! あ、あれは……何だ!?」


目を凝らした深町先輩が叫ぶと、他の生徒もざわざわと騒ぎ始めた。


【この木は國枝 燈卒業制作品、その名も『ひみツリー』。卒業生全員の秘密を書いたメモを全てぶら下げてみましたー! はははっ!】


國枝先輩の高らかに弾んだ声が響き渡る。

一瞬で静まり返った校庭は、次の瞬間には信じられない程の大パニックに陥った。