「國枝先輩……?」
「あーあ。やっぱり留年すればよかったかなー」
そう言ってニカッと笑った彼は、私の頭をグシャッと撫でる。
「乃季。この一年、楽しかった?」
唐突な質問に、私は目を丸くする。
二人の間を勢い良く吹き抜けた春の風に、彼の長い前髪が舞い上がる。私を見る彼の目が揺れている様に見えて、私は胸がじんと熱くなるのを感じた。
――國枝先輩って、こんなに背高かったっけ。
今、そんなことを思うのはどうしてだろう。
「もちろん。先輩達に出会えて本当によかったです」
「……そっか。やっぱり俺のシックスセンスは正しかったな!」
薄暗さの中に居るのに、誇らしげな彼の笑顔は太陽のように眩しい。
堪らず私が目を逸らすと、彼は鼻歌を歌い出し、真っ直ぐ前に向き直る。
國枝先輩が明日卒業したら、こうして一緒に帰ることも出来なくなるのかな。
そう考えると、急に寂しさがぶり返してきて、私は慌ててスン、と鼻をすする。
そして彼の鼻歌に耳を傾けながら、紺色の空を眺めて歩いた。
「あーあ。やっぱり留年すればよかったかなー」
そう言ってニカッと笑った彼は、私の頭をグシャッと撫でる。
「乃季。この一年、楽しかった?」
唐突な質問に、私は目を丸くする。
二人の間を勢い良く吹き抜けた春の風に、彼の長い前髪が舞い上がる。私を見る彼の目が揺れている様に見えて、私は胸がじんと熱くなるのを感じた。
――國枝先輩って、こんなに背高かったっけ。
今、そんなことを思うのはどうしてだろう。
「もちろん。先輩達に出会えて本当によかったです」
「……そっか。やっぱり俺のシックスセンスは正しかったな!」
薄暗さの中に居るのに、誇らしげな彼の笑顔は太陽のように眩しい。
堪らず私が目を逸らすと、彼は鼻歌を歌い出し、真っ直ぐ前に向き直る。
國枝先輩が明日卒業したら、こうして一緒に帰ることも出来なくなるのかな。
そう考えると、急に寂しさがぶり返してきて、私は慌ててスン、と鼻をすする。
そして彼の鼻歌に耳を傾けながら、紺色の空を眺めて歩いた。
