虹色研究部 - ニジケン -

「乃季、今カップルコンテストの時のこと思い出してた?」


「えっ! 何で分かったんですか?」


「ヒミツ」


國枝先輩は口元に人差し指を当て、イタズラに笑った。

淡い街灯に照らされた横顔の美しさに、一瞬ドキッとしてしまう。


コンテストのクイズも、そして今も。
どうして彼には私の考えていることが分かるのだろう。

これも彼の特殊能力なのかな、なんて思ってしまう。


「いよいよ卒業ですね」


「そうだね。乃季、寂しい?」


からかうように、私の顔を覗き込む國枝先輩。

アーモンド型の目が、きゅっと優しく細められる。


「部室が静かになるのは寂しいですけど、先輩達のことですから、きっとすぐに遊びにきてくれますよね!」


当然、「うん」という笑顔が返ってくると思っていた。

けれど彼は、私をジッと見下ろしたまま何も言わない。