虹色研究部 - ニジケン -

「……あー、俺もコンビニで漫画立ち読みして帰るわ」


「えっ! 蘭先輩まで寄り道ですか?」


「うるせぇな。ど、どうしても今すぐ読みたくなったんだよ」


そう言ってぶっきらぼうに手を振った彼は、くるりと背を向けて足早に行ってしまった。

すると私の隣に立つ國枝先輩から、クスッと笑い声が漏れる。


「蘭は本当に大根だな」


「大根? 何ですかそれ……」


私が復唱すると、彼はククッと必死に笑いを堪える。


「何でもないよ。帰ろうか、乃季」


私の背中をポンッと押した彼は、再び足を前に進めた。

訳もわからないままその背中を追い、私は彼の隣に並んで歩いて行く。


以前、カップルコンテストのカリキュラムで、こうして送ってもらった放課後を思い出す。

國枝先輩と一緒に居る時間は、とても心地が良い。
特に会話がなくても、彼が隣に居るだけで、穏やかで温かい気持ちにさせられる。

本当に不思議な人だ。