虹色研究部 - ニジケン -

日が落ちて、春先らしい小寒さが忍び寄る。

私達は全員で、まるで小学生の様に並んで家路を辿っていた。

特に意味を成さない、たわいもない会話がとても心地いい。


「あっ、明日卒業式でつける髪留め、買うの忘れてたわ!」


和田先輩がピタリと足を止め、口に手を当てながら綺麗な額にシワを刻んだ。


「何で髪留めなんだよ。別になくてもいいだろ」


蘭先輩は興味がなさそうにそう言うと、和田先輩がギロッと睨む。


「明日は袴を着るのよ! 髪留めかかんざしがないと話にならないわ!」


「えっ、明日の卒業式って……普通に制服ですよね?」


私の言葉に、和田先輩はきょとんと首を傾げた。


「……乃季ちゃん、ニジケンにそれは愚問よ。『普通』じゃないのが、私達じゃない」


今度は私はきょとんとする。そしてすぐに、笑みが込み上げてきた。