虹色研究部 - ニジケン -

「じゃあ良い機会だし! どうせなら燈をもーっと困らせてあげようかな!」


両手をパチンッと叩いた和田先輩は、綺麗な唇の両端をニヤリと上げた。


「紀香、そういうのやめようよ。せっかくの卒業祝いなんだからさ。ワイワイどんちゃん騒ぎしようよ……」


國枝先輩は、嫌そうに眉を下げる。その姿はまるで不安気な子犬みたい。

そんな彼を見るのは初めてで、思わずクスッと笑みが零れた。


「乃季も笑ってないで助けてよー!」


「私も國枝先輩の実は良いところ、もっと聞きたいですもん!」


「そうよね! 乃季ちゃんもニジケンがいかにして生まれたのか、気になるわよね!」


いつもの仕返しをするかの如く、和田先輩に乗っかった私は、いい気分で困り顔の國枝先輩を見つめた。


「乃季もすっかりニジケンらしくなったなー。嬉しい様な、悲しい様な」


「いいじゃねぇか。聞いておけよ」


蘭先輩にも跳ね返され望みを絶たれた彼は、ガクリと肩を落とす。

更に彼は両手で耳を覆うと、机に突っ伏した。