虹色研究部 - ニジケン -

「用意周到に工具まであったので、改造してパイを投げられる様にすると、部長は僕に『やっぱり君は天才だ!』と言いました。
その言葉についにブチッときてしまった僕は、『僕は天才なんかじゃない。僕は異端で、力を持て余したロボットだ』と逆ギレしたんです」


目に浮かぶ國枝先輩の姿に、私は苦笑いを浮かべた。


「すると部長は大笑いして、僕の頭をワシャワシャと撫でました。『異端なんて最高の称号だね。ゾクゾクしちゃうよ。君もニジケンにおいで。俺が君の力を、持て余す暇もなく使ってあげるよ』そう言って部長は、僕に手を差し伸べました」


語られるエピソードに、國枝先輩は照れ臭そうに唇を突き出す。

和田先輩も優しく微笑んで、静かに目を瞑った。当時を思い出しているのか、その表情はとても心地良さそうだ。


「僕はその時、何年も苦しんできた呪縛から解き放たれた様な気分でした。そして決めたんです。この人の為に力を使おうと。人生で初めて、誰かの側に居たいと思えたんです」


グッと握られた滝口先輩の拳は、微かに震えていた。