虹色研究部 - ニジケン -

カップルコンテストはお昼ちょうどから始まる。
今年エントリーしたカップルは、私達を含めて四組いるらしい。


「うわぁ! すごい」


朝から準備で部室に缶詰だった私は、文化祭で賑わう校内を見て驚く。

秋風が吹き荒れているというのに、校舎も校庭も、一般のお客さんを含めた沢山の人で溢れかえっていた。


「どの屋台もすごい行列ですね。こんなに人が!」


高校に入って初めての文化祭。その熱気に心を踊らせると、隣に立つ國枝先輩もニッコリと笑ってくれた。

だが、その人の多さを見て、再びジワリと緊張がぶり返してくる。


「せっかくの文化祭なのにどこも回れてないもんねー。まだ時間あるし、何か食べて行く?」


悠長な事を言う國枝先輩は、屋台を指差しながら首を傾けている。

どうやら、まるで緊張していないらしい。


「私は食欲ないです……。國枝先輩はお好きにどうぞ」


「……腹が減っては戦は出来ん!!」


國枝先輩は突然大きな声を出すと、私を置いて走って行ってしまう。

相も変わらず突飛な彼の言動に、呆れて自然と頬が緩んだ。