虹色研究部 - ニジケン -

「……よしっ」


中に入った二人を見届けて、國枝先輩は小さくガッツポーズを作る。


「誕生日にお化け屋敷をプレゼントするなんて、蘭先輩はホラーが好きなんですか?」


「あぁ。蘭は昔からお化けだけは……大っ嫌いなんだよ」


今にもヨダレが垂れそうなほど、ニンマリといやらしい笑顔を浮かべた國枝先輩。


「えぇっ!? じゃあ何で二人をお化け屋敷に?」


「だって、普段はクールな蘭がビビって悲鳴上げるなんてさ……最ッ高にゾクゾクするよね。『誕生日なのに!』って半泣きの蘭を想像すると……あぁ! 本当に気持ちいいよ……」


頬を赤く染めて悶える彼は、まるで何かに勝利したかの様に、拳を高らかに上げた。

相変わらず、彼の異常な性癖は理解に苦しむ。


「そんな理由でお化け屋敷を作ったんですか?」


「うん。それが四割かな。後の六割もすぐにわかるよ」


フッと勝気に微笑む彼に、滝口先輩の『きっと何か考えがある』という言葉を思い出す。

すると、お化け屋敷の中から『ギャーー!! 何なんだよクソ野郎!!』と、蘭先輩の悲痛な叫びが聞こえてきた。


「あぁ、いい悲鳴……」


他に何か理由があるのだとしても、蘭先輩が不憫でならない。