虹色研究部 - ニジケン -

「皆さん、そろそろ配置に付きましょう。部長が指定した時間になります」


私のお化けメイクが完了したところで、のっぺらぼうこと滝口先輩の、少し篭った声が聞こえる。

慌てた和田先輩が、一通りの段取りを私にざっくりと説明してくれた。


「では。夏は終わってしまいましたが、いい肝試しになるように、全力を尽くしましょう!」


「ニャー!!」


のっぺらぼうの号令に、猫娘は高らかに右手の拳を掲げて鳴き声を上げた。

私も慌てて猫娘の拳に、自らの拳を軽くぶつける。


「はい。乃季ちゃんは入り口の外でこれ持っててね!」


猫娘に渡されたのは、プラスチック製の看板プレートだ。

表を見てみると、『ようこそ。中では手を繋いで下さい』と血文字風で書かれている。


猫娘は「話しかけられても返事しちゃダメよ、お化けなんだから!」と言いながら、中に入って行ってしまった。

ポツンと取り残された私は、看板を持ってお化け屋敷の前で皆が来るのを待つ。