「でも蘭も何も変わらなかった。
俺も紀香もすごく心配したんだけど、何も変わらなかった。
でもね、俺達が気付けなかっただけで、蘭は……変わっていた。
少しずつ感情が無くなっていって、少しずつ自分の殻に閉じこもり始めたんだ」
彼は両手で顔を覆った。
スゥーっと息を吐く音が、彼が今も苦しんでいる事を物語っている。
「俺が異変を感じた頃には、蘭の心は死んでしまっていた」
覆う手が、小刻みに震えていた。
吹いていた風が強くなり、中庭の落ち葉がカラカラと舞う。
「蘭は父親の経営する学校だから本当に嫌がってたんだけど、俺と紀香が無理に説得して、一年生の時にこの学校に転校させたんだ」
國枝先輩は、顔から手を落とした。
先ほどに比べ、少し柔らかくなっていた表情に私は安堵した。
俺も紀香もすごく心配したんだけど、何も変わらなかった。
でもね、俺達が気付けなかっただけで、蘭は……変わっていた。
少しずつ感情が無くなっていって、少しずつ自分の殻に閉じこもり始めたんだ」
彼は両手で顔を覆った。
スゥーっと息を吐く音が、彼が今も苦しんでいる事を物語っている。
「俺が異変を感じた頃には、蘭の心は死んでしまっていた」
覆う手が、小刻みに震えていた。
吹いていた風が強くなり、中庭の落ち葉がカラカラと舞う。
「蘭は父親の経営する学校だから本当に嫌がってたんだけど、俺と紀香が無理に説得して、一年生の時にこの学校に転校させたんだ」
國枝先輩は、顔から手を落とした。
先ほどに比べ、少し柔らかくなっていた表情に私は安堵した。
