虹色研究部 - ニジケン -

「よし。中に入るか」


「蘭先輩!? その格好で何言ってるんですか!」


立ち上がろうとした蘭先輩を慌てて座らせると、不服そうに口をへの字に結ぶ。
突入したくてウズウズしているみたいだ。


「見てるだけじゃつまんねぇな」


「だからって――」


「あっ、出て来ます」


滝口先輩の呟きに、慌てて店内に視線を戻した。

和田先輩と相手の人は、カバンを持って立ち上がる。どうやら店を出るようだ。


いよいよ相手の人の顔が見える、そう息を飲むけれど……。


「……あの。和田先輩と一緒にいる人って……」


「うん、結構可愛い子だよねー。紀香も面食いなんだな」


國枝先輩の発言に、それまで抱いていた違和感に拍車が掛かる。

私はもう一度店内に視線を戻し、何度もまばたきをして目を凝らす。


和田先輩と並んで歩くその人は、フランス人形の様に大きな目をパチパチとさせ、長い髪をふわりと風に靡かせている。

可愛らしい雰囲気が印象的な――この学校の女子生徒だった。