虹色研究部 - ニジケン -

「カフェテリア? やっぱりすごい学校なんだ。そんな施設があるなんて……」


「カフェテリアつってもシャレた食堂だろ? そんな緊張する事ねぇよ」


蘭先輩は物怖じせず、カフェテリアに向かって歩き出す。
さっき見つかったばっかりなのに、本当に強気だな。


まだ周りに少し残っていた生徒達が、明らかに怪しい私達をジッと見ていた。

それにしても、見かけるのは女の子ばかりだな……。


「乃季! 早くおいでよー」


國枝先輩がまた女性の声色を使って、足を止めていた私を呼ぶ。


「はーい! 今行きます!」


滝口先輩の不安そうな横顔が、目に入る。


「大丈夫ですか?」


「大丈夫です。僕じゃ……どうにも、ならないんで」


しゅんっと切なげにまつ毛を伏せる滝口先輩。

『どうにもならない』だなんて、普段からは想像もつかない弱気な態度だ。

もちろん和田先輩の恋は応援したいけれど、滝口先輩の恋も応援したい。

複雑な心境を抱えつつ、先を行く先輩達の背中を追った。