虹色研究部 - ニジケン -

二人の背中が小さくなって消えると、耳元でフゥーっと息を吐く音が聞こえる。


「乃季。何でこんな無茶したの」


國枝先輩は力が抜けたのか、腕の力を緩めて、そのまま私の背中にもたれかかってきた。


「ちょ、國枝先輩!?」


ぴったりと身体が密着して、背中には彼の体温を感じた。

突然の出来事に、ドッドッドッと耳まで心音が響き出す。


「心臓、止まるかと思った」


耳元でポツリと呟かれた。
優しくて温かいトーンが、じわっと鼓膜を刺激する。


「……國枝、先輩?」


「悪口なんて今に始まった事じゃないし、言わせておいていいから。それより上級生の男子二人に食いかかったりしたら危ないだろ」


続けてはーっと安堵の息を落とす國枝先輩。

心から心配してくれていた事を知り、私は拳をギュッと握った。