虹色研究部 - ニジケン -

「ちょっと来いよ」


振り解こうとしてもさすがは運動部の男子、力が強すぎて私は引きずられる様に連れて行かれる。


落ちたデジカメを見つめ、入場門の前に整列する先輩達を見つめた。


「……せんぱ」


「おっと! 叫ぶなよ。黙ってこっち来い」


ほんの小さな声で囁いただけの私の口に、田中が手を当てる。


私は黙って彼に手を引かれた。


間違った事は言っていない。

先輩達にだって、体育大会に出る権利はある。こうして走る権利は同じ様にある。


「ここなら國枝達からも見えないだろ」


辺りを見渡す二人は、余程焦っているのか、汗が頬を伝っていた。