かわいいあなたにマフラーを

あ……。
昨日見たマフラーのメモ書き。
春樹って、こいつか……。

「笹野、顔が怖いって」

静谷が弁当を渡すと、春樹は手を振って教室を出て行った。

彼女は何事もなかったかのように、自分の弁当を取り出して、友達と食べ始めた。

「最悪……」

小さく俺は呟いた。

昨日の今日で、見せつけてるわけ?
優しくて穏やかだと思っていたのに、こんなことするんだ……。

俺の心は憂鬱だ。

「ちゃんと確認してみれば?
勘違いかも知れないし」

目の前で緑木はそう言うけれど。
昨日のメモ書きと、今の会話。

勘違いって言えるか?
と言うかむしろ、今の状況で何が勘違いなんだ?

明らかすぎて、確認するまでもないじゃないか。

緑木を睨んで、俺は黙って自分の弁当をつついた。