かわいいあなたにマフラーを

「静谷っ!」

教室に入るなり彼女の姿を探すも、見当たらない。

「静谷は?!」

「帰ったけど……?」

近くにいた女子が、どうかした? と俺の勢いに驚きながらも声をかけてくれた。

「いや、ちょっと探してて……」

「さっき教室出たばかりだから、まだ近くにいるかもよ?」

「そうか、ありがとう」

俺は静谷の机にペンケースを置くと、慌てて自分の帰り支度を済ませて、教室を飛び出した。

彼女を探しながら校舎内を移動するも、その姿を捉えることは出来なかった。
家庭科室も覗いたし、図書室や屋上にも行ってみたけどいなかった。

もう校内にはいないのかも知れない。
俺は靴を履き替えて、いつもの道を足早に歩く。