かわいいあなたにマフラーを

その時きゅっと、後ろに引っ張られる感覚があって、足を止めた。

「ん……?」

振り向くと、真っ赤な顔で俯く静谷が、ブレザーの裾を掴んでいた。

「な、なかったことに、するの……?」

「え……?」

少し顔を上げて、恥ずかしそうに静谷は口を開いた。

わ、その上目遣い、反則……。
可愛すぎて、抱きしめたい、キス、したい。
ヤバイ。欲望が、どんどん俺の中で大きくなってしまう。

「だって、迷惑じゃ……」
「迷惑じゃ、ないよ……?
う、嬉しい……の」

言いかけた言葉を遮ったのは、目の前の彼女。
物静かな彼女にしては大きめな声。