かわいいあなたにマフラーを

「ごめんね、急に送ってもらうことになっちゃって……」

すまなそうに俺の隣を歩く彼女。
俺を見上げる顔が、いつも遠くから眺めるより近くて、さっきから心臓がバクバクだ。

「全然、いいよ?」

意識しすぎて恥ずかしい、鼓動が早くておかしくなりそう、なんて、バレちゃいけない。
俺は平気なフリをした。

「あ、ありがとう。優しいね、笹野君」

ふわりと柔らかな笑顔は、今、俺に向けられてい。

そう、俺だけに。
そう思うと、さっきより心臓が跳ねた。

……やばい、彼女の家まで、俺の心臓、持つ?

「……?
笹野君? どうしたの……?」