幽霊学園

ガラリッ

扉を勢い良く開け油断無く身構えるが、電話が鳴っているだけで何も起こらない。


「誰も居ない。」

教室を見回し確認すると、全員が今は珍しい黒電話の周りに集まった。


「取るぞ…?」

鳴り響く電話の受話器に手を出して、守は持ち上げた。


チンッ!

「もしもし?」

『――あのね?』

聞こえたのは何故か女の子の声。
それも少し舌っ足らずな、それでいて無邪気で可愛い声が受話器から聞こえる。

『今ね。』

その場に居る全員に聞こえる、澄んだ良く通る幼い声が。

『校門に居るの。』