寝過ごしてしまい、にこと2人で歩いていると…



くらっとして、今までで1番の頭痛が走って、倒れた。



硬いコンクリート。



「蒼?」



頭を押さえる。



「はぁはぁ」



顔を覗き込んだにこは、異変に気付いた。



「ねぇ、蒼!



どうしたの!?」



何と答えればいいかわからなかった。



「蒼!



死んじゃやだよ!



蒼…」




にこは、泣いて混乱していた。




「…救急車、呼んで…?」




「え?



救急車なんて呼んだことないよっ!



お姉ちゃんに聞く!」



とにかく早くしてほしかった。



この痛みに耐えてると頭がおかしくなりそうで…



「お姉ちゃん?



蒼がっ!倒れちゃったの?



救急車?呼んだことない!



ここの住所なんてわかんないよ!」



なんとかにこは電話をかけた。



「もしもし?救急車ですか?



蒼がっ!蒼が倒れちゃったんです!」



蒼だけじゃわからないだろう。



「水瀬 蒼!17才です!」



「えっと…」



近くの自販機を見て、住所を言った。



「どうしたらいいですかー!」



泣きながらしゃべるにこ。



「はい、はい、分かりました!」



にこは電話を切った。