蒼空の下を、キミと2人で

話は意外に短かった。



長くないなら…



そう思ったけど、その思いは蒼のお母さんとお父さんをみて砕け散った。



泣いている蒼のお母さんとそれを支える蒼のお父さん。



「蒼はっ!」



蒼のお母さんは蒼のお父さんを見た後、こう切り出した。



「蒼はね…脳に腫瘍が見つかって…



そう長くないみたいなの…



1カ月か、2カ月ぐらい…」



蒼のお母さんはより一層泣いた。




嘘、でしょ?



膝から崩れ落ちた。



ポタ、ポタ



床に涙が落ちる。



「そして、言わないといけないことがあるの。」



蒼のお母さんは蒼のお父さんのほうを向いた。



「あのね、妊娠してたの…



4か月だって。」



この状態では、素直に喜べない。



蒼は、お兄ちゃんになるんだ…



でも、蒼は兄弟の顔を見ることはできないんだ…



「その事、蒼に言ってもいいですか…?」



「にこ!やめなさい」



お姉ちゃんが止める。



「そうして…?




蒼もにこちゃんから聞いた方が喜ぶから」




みんなで蒼の病室に向かった。