Disposable

「どうして開けるんだ」

ヒューが貨物室の方にやって来る。

「見るだけならいいかなぁって…」

「そういう事じゃないだろ!信用の問題だ!」

ハルを叱りながら、視線をケースの中に移したヒューは。

「…おい…こりゃあ…」

思わず口走った。

「バニング!こいつはサーモバリック爆弾だ!」

強大な衝撃波を発生させ、12気圧に達する圧力と3000度の高温を発生させる爆弾。

サーモバリック爆弾の破壊力の秘訣は爆速でも猛度でも高熱でもなく、爆轟圧力の正圧保持時間の長さ。

つまり、TNTなどの固体爆薬だと一瞬でしかない爆風が『長い間』『連続して』『全方位から』襲ってくる所にある。

90年代初頭の湾岸戦争において、広範囲の砂漠に分散して砂中に隠されたイラク軍戦車部隊や随伴歩兵らの兵力を削ぐべく同兵器が使用されたが、これにより多数のイラク兵が同兵器作動時に発生する巨大な火球によって塹壕や戦車の中で蒸し焼きになって焼き殺されたり、衝撃波で目立った外傷も無く圧死したという。

サーモバリック爆弾は破片による被害は少ないが、急激な気圧の変化による内臓破裂などを起こさせるのだ。