町が一望できる場所まで来ると
ピンクのワンピースを着た
髪は伸びているが見覚えのある
姿がそこに立っていた。




「全然劣ってねぇな。」



俺がそう言うと
延珠はゆっくり振り向いた。




「お前は奇跡を起こした。
そして俺はお前を見つけた。」




俺はペアリングを延珠に差し出した。




「このペアリングをするのは
延珠しかいない。」




『見つかっちゃった…』



延珠はクシャっと今にも泣きそうな笑顔をした。



「当たり前だろ!」



俺は延珠に駆け寄り
強く抱きしめた。
延珠からはあの頃と変わらない
甘くて優しい香がした。