延珠が行きそうな場所を
探し回った。
でもどこにもいない。




延珠は最初からいないのか?
俺とばあさんの幻聴なのか?




もう日は落ち夜になっていた。
星が出てキレイな星空を俺は見た。



延珠のヤツ俺が星の見える丘に
連れて行ったらその景色を
宝物にするなんてはしゃいでたっけ…




もしかして…!
俺は目の前に見える丘を見た。




俺は車を全力で走らせた。




延珠がいるかなんて
わからないし保障もない。
でももしかしたらって思った。




丘に着くと辺りは外灯の光だけで
暗くてよく見えない。



「延珠!!」


名前を呼んでも反応はない。



やっぱりいるわけないよな?
俺が車に乗ろとしたその時だった。




『♪♪~♪~』



聞き覚えのある歌声が聞こえた。
これは延珠が作った曲と歌詞。


俺と延珠しか知らない大切な曲。



俺は歌声が聞こえる方へと
ゆっくりと足を進めた。
歩けば歩くほど近くなる歌声。