ヤクザに愛された歌姫【完】

俺の実家に着くと
ばあさんが家の前を
走り回っていた。



「気のせいじゃないのか?」



必死でばあさんをなだめるじいさん。




「どうしたんだよ?」



俺の声に振り向くばあさん。



「獅狼!ヒカリちゃんもジュンも!
さっきね?延珠ちゃんの歌声が聞こえたの。」



ばあさんの言葉に俺は耳を疑った。



「延珠はもう奇跡が起きない限り
歌えないのに歌声が聞こえるわけないだろ?」



ばあさんに呆れるじいさん。
奇跡が起きない限り
延珠は歌えない。


でももしも…


「奇跡が起きていたら?」