ヤクザに愛された歌姫【完】

「延珠元気にしてるかな?」



ヒカリさんはそう呟いた。


誰も延珠の居場所も連絡先も知らない。
ケータイは置いていったし
住所すら知らなかった。



「あいつの事だから元気に決まってる。」



俺は首から下げている
2人分のペアリングを握りしめた。



「そうだな。延珠ちゃんなら大丈夫だ。」



ジュンはそんな俺の肩に
手をおきそう言った。



「そういえば会長が
久しぶりに会食参加しろって。
パーティみたいなもんだから
ヒカリさんも一緒に。」



ジュンの言葉にじいさんが
前にそんな事を言ってたのを
思い出した。