「これやる。」


すると獅狼があたしに
ネックレスとペアリングを渡してきた。



「今日のデートの記念。
あとずっと預かってたペアリング。」



獅狼はイルカのネックレスを
あたしに付けてくれた。



『ペアリングは獅狼が持ってて?』




「は?」



『そのペアリングは本当に
大切な子にあげて?』



あたしがそう言うと
獅狼はペアリングをあたしに突き出した。




「俺はお前が…。」



あたしは人差し指で獅狼の
口をふさいだ。




『獅狼…あたしも奇跡を起こすから
獅狼も奇跡を起こして?』




あたしの目からは涙が流れていた。