ヤクザに愛された歌姫【完】

「ムカつくからだよ。」



『は?』



ハヤテのその言葉に
あたしはムッとした。



「薬もダメ?無意味なケンカもダメ?
売りもダメなんてそんなの
裏組織の意味がまったくない。
俺達ヤクザは正義の味方じゃないだ。」




『あたしはおじいちゃんや
獅狼のやり方は悪くないと思う。』




ハヤテは獅狼に向けていた
ナイフをあたしに向けてきた。




「延珠!!」



『来ないで!』



あたしを庇おうとする
獅狼にあたしは怒鳴った。


獅狼にあたしは笑いかけると
獅狼はおじいちゃんに
肩を掴まれた。




「紅葉会の連中の味方をするなら
延珠ちゃんもどうなるか
わからないよ?」



ナイフをペロリと舐めるハヤテを
あたしは睨みつけた。




『あたしは紅葉会も獅狼も大好きなの。』




「そうか。」




ハヤテはナイフをしまって
銃をあたしに向けてきた。