ヤクザに愛された歌姫【完】

マジマジとあたしを
観察するように見るおじさん。



「たしかアイドルだったな?
見た目はそれなり可愛いな。
せっかくだからうちのせがれを紹介する。」



おじさんがそう言うと
後ろから若いスーツを着た
男が出てきた。




「うちのせがれで若頭を
勤めるハヤテだ。
獅狼は同級生だからわかるよな?」



おじさんの言葉に驚いて
あたしはハヤテと獅狼の
顔を交互に見た。



「こんにちは。
延珠ちゃんは有名だからね。
知ってるよ。」



ハヤテはあたしに
近づいてきた。



『ハヤテ……くん?』



後ろにたじろうあたし。
この人なんかこわい。



なんていうか笑ってるのに
目は全然笑ってない。