ヤクザに愛された歌姫【完】

だからあたしはアイドルになった。



「延珠の探してるやつが
延珠に気づいても知らないふりしたら?」




『信じてるから。』



まっすぐ獅狼を見ながら
あたしは答えた。



「そいつそんないいやつなのかよ?」



『うん…あたしを置いていなくなったけど
どんな理由があっても絶対にまた
帰ってきてくれるって信じてるから。』





獅狼本人にこんな話しをして
あたしなに考えてるんだろ。



「延珠が羨ましいよ。
そんなまっすぐな気持ち持っててさ。」




その場にしゃがみこみ
両手で頭を抱える獅狼を
あたしは抱きしめた。