「…っ、何だよ…、俺。全然気付かなかった」






裕士は唇を強く噛んでいた







叶わない恋なんかじゃなかったんだ――…







お互い想いあってて






でも友達っていう厚い壁が2人の間を隔てて







すれ違ってばかりだったんだ…









――…嗚呼、けして叶わない恋なんかじゃなかったのに








こんなに近くにいて想いあってたのに






近すぎて気付かなかったのかな?







裕士は遅すぎた…






―――あと一歩が遅かったんだ