あの日、雨と傘と君と


PM6:15


待ち合わせ場所である夢見が丘についた。


待ち合わせ時間よりも早くついて心底安心して歩いていると、


すでにそこには彼の姿があった。


そして私に気づき軽く手を振ってくれる。


時間に細かい紫雨にとって、人を待たせるということはとても不安なことであり、


必ず15分以上前に行くように勝手に身体がそうなってしまっている。


それなのに待たせてしまったなんて…!


すいません。と、一歩を踏み出し走りだそうとしたら、


「うわ!」


小さな段差につまづいてしまった。



やばい、こける―。

 

ぎゅっと目をつぶったその時。


そっと自分の腰に暖かさを感じた。


「おっと、危ない」


つまづいたところを、彼にしっかりと支えてもらったおかげで転ばなくてすんだ。



恥ずかしさと戸惑いで胸がいっぱいだった。


上を見上げるとすぐそこには彼の顔。


心配そうに私を見る顔がなんとも言えないくらいかっこよくて…。 


私の顔の温度も一気に急上昇。


ありがとうございます。と言いたいのに、ごにょごにょして上手く言葉にならない。


恥ずかしい…。