何を言っているんだ、この女は。
もちろん、下心ありだったからそういうことになれば良いと思っていたけど女の方から事を運んでくるとは思わなかった。
しかもだ。派手な雰囲気もなく、どちらかといえばクールビューティーという言葉が似合いそうで、積極的な行動を取るような女には見えなかった。
『ダメ?』
首を傾げて、大きな瞳で見つめてくるものだから俺はもうそれだけで限界だった。
まあ、でも物事は上手く運べるわけない。
マンションに来た瞬間、レナは爆睡をかまし結局俺は手を出せず仕舞いだった。
それにレナは味をしめたのか、深夜になると俺のマンションに来て睡眠を取るようなった。
ヘタレといってくれて構わない。それを断れない俺も俺だし、次の段階に持っていくことにも出来ない自分が嫌になる。無理矢理することも出来るんだろうけど、それはルール違反のような気がする。
それでも、レナの寝顔を見ながら彼女を抱き締めて一緒に眠りにつく時、満たされた気持ちになるのは、俺が相当レナのことを好きってことなんだろう。