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「なるほどな、初恋ってわけか」


「初恋って…」


互いにラーメンを食べながら、俺はレナのことを話した。レナと出逢った時のこと。それ以降、何の進展もないこと。俺が行動を起こして今の関係を壊すのが怖いこと。


バカにされるかと思いきや至極真面目に聴いてくれた。そうだ、こいつは元々こういう奴だった。俺と慎は高校が一緒で同じ職に就いた。


学校というものは、目に見えない階級みたいなものが出来るけど慎はそんな柵なんて突き破って、誰とでも分け隔てなく接していた。


俺の話を茶化さず聴いてくれる。高校時代、彼の周りにはいつも誰かしらがいて笑いが絶えなかった。人気者だった慎。その理由が分かる気がした。