そこにいた


看護師さんが部屋から出て行くと、亮先生と二人きりになった。




「綾ちゃん、大丈夫だよ。



僕は今日、泊まりだから、何かあっても大丈夫。」




そういった亮先生は、気づくと私を軽く抱きしめながら、私の頭をなでていた。



私は驚いて体が硬直した。



でもすぐに亮先生の白衣の匂いで心が落ち着いた。



その後、亮先生は、今日の昼のことには触れずに、病室を後にした。