そこにいた


「綾ちゃん、顔色悪いけど、大丈夫?」  






そういってリビングで私の顔を覗き込んだ武田先生。






私は思わず顔を背けた。





実は、胸の痛みだけじゃなくて、今朝から怠い。






「だ、大丈夫だよ!!!寝不足なだけ。」






「試験近いもんね。





無理しないでね。」






武田先生はきっと気づいてる。  







だって、何年も私の主治医だったんだから。






それ以上に実の父親なんだからね。






晩御飯を食べ終えた私は、武田先生にそれ以上何か言われないように、部屋に向かった。





背中に武田先生の視線が痛いほど刺さったけど、それを振り切るようにリビングを出た。