目を覚ますと、相当泣いたのか、まぶたがくっついて開きづらかった。
ふとベッド際を見ると、武田先生が部屋にいた。
「綾ちゃん、大丈夫?
今日健診だったけど、何かあった?」
武田先生の声を聞いて、亮先生を思い出すと、また泣けてきた。
しばらくして落ち着くと、手元にあった亮先生からの手紙を武田先生に渡した。
武田先生はすぐに理解したようで、私の頭を引き寄せて、頭をポンポンと撫でてくれた。
少しずつ落ち着いてきた。
いつもこう。
武田先生は私が治療が辛くて病室で泣いてると、静かにそばに来てくれて、気付くと抱きしめて頭をポンポンと撫でてくれた。
「ありがとう。」
私はそういうと先生から離れた。
「大丈夫だよ、綾ちゃん。
今日、各務先生が綾ちゃんの主治医を辞めたいって言ってきたけど、僕が断ったから。」
「えっ?」
「こんなことだろうと思ってね。」
「じゃあ、私の主治医は!?」
「もちろん、各務先生だよ。
好きなら一生かけて守りなさいって言ってあるから。
それから・・・・・・。」



