「ねぇ、麗奈」

「何ー?」

「私たち、今年もクラス一緒かな?」

「んーどうなんだろー??」


去年は、麗奈と同じクラスで いつも一緒に行動してた。




今年も一緒がいいんだけど…。






「あ。明日香!あそこに掲示板」

「掲示板…?あ、なるほど」




掲示板と聞いて すぐにはピンとこなかった。

けど、麗奈が指さした方向を見て やっと理解した。



そこには、たくさんの人だかり。







紅蘭高校の正門の隣にある掲示板には、
毎年 進級する頃に、クラス表が表示されるんだ。

この表を見て、みんな一喜一憂する。









「明日香…」

「何?」



掲示板を見ようとクビを動かしていると、麗奈の小さな声が耳に入った。







「私って身長小さいの?」



他の子たちが 目の前でクラスを確認してるせいで、麗奈は掲示板が見えないらしい。




「…麗奈って155cmないんだっけ?」

「うん…」

「…じゃあ少し小さいのかもね」

「うっ…。はっきり言わないでよー!」



ぽかぽか、と私を軽く叩いてくる麗奈。


────────








⋯あーあ、明日香はいいなぁ。


モデルみたいに足も細くて長いし、しかも
身長が170cm近くあるなんて…

私にとっては うらやましすぎる!










⋯って、麗奈は前に言ってたっけ。




「…でも、あたしはそんな麗奈も好きだよ」

「っ明日香ぁぁぁぁあっ!!」

「ちょっ、苦しいんだけど」

「私、明日香の親友で良かったっ!!」



麗奈はぎゅっと私を抱きしめる。



ちょっとボキッて言ったのは気のせいかな。うん。






「あー、はいはい。分かったから。
ほら、さっさと教室行くよ。
⋯あたし達、同じクラスだったから」


「えっ、ホント!?同じクラス!?
明日香…ありがとう!!」

「いや、あたしじゃないからね?」