ろっくおん!

『…奏乃ちゃん。』






『ん?』







『…由宇と喧嘩した?』







『…由宇、って呼んでるんだ。』







『ん?昨日由宇が呼んでって言ってたじゃん。』







『そだね。喧嘩は、してないよ?』








由宇ちゃん、智也くんに相談してたのかな。






『今さ、由宇めっちゃ落ち込んでて、カフェで和泉が話聞いてるんだ。…行かない?』






『…うーん、今日は…』








『奏乃ちゃん。由宇と和泉のこと気にしてる?』







『…そんなこと、ないよ。』







『昨日、なんで由宇の連絡先は教えたのって思ってるでしょ。』







見透かすような智也くんの目に、
私は顔をそらした。







『とにかく、行こう?奏乃ちゃん。』







『でも、』







『いいから。』








強引にバスに乗り込むと、智也くんはそれから黙ってしまった。