ろっくおん!

『じゃあ、私帰るね。』






『…勝手にすれば?』







『ありがと、瑞輝。』







私は教室に戻りバッグを取って学校を出た。







『…智也くん?』







『お疲れ、奏乃ちゃん。』








ニコニコしながら智也くんが校門の前で待っていた。






『奏乃ちゃん家どっち方面?』







『え、と、バスで駅方面に…』







『俺と家近いじゃん。今日、歩いて帰らない?話したいこと、あってさ。』






『…へ、あ、うん。いいよ。』








智也くんは明るく見えて本当は何を考えているか分かんない。






『そんな構えないでよ。ただ奏乃ちゃんと話したいだけ!』







そう言って笑う智也くんは、楽しそうで、私まで笑ってしまった。