ろっくおん!

『えっ、どうした?』





『…智也くんごめん。私が、』






『…奏乃は悪くない。』






『…由宇ちゃん。』





『とにかく、お店でよっか?』





そのままその近くの公園に行った。





『…大丈夫?』





こんな時でさえも、桜月くんに心配されてる由宇ちゃんを、羨ましく思ってしまう。



『奏乃ちゃん、何かあった?』




『…私たちの幼馴染みに、成沢瑞輝っているんだけど、瑞輝の名前出したら…由宇ちゃんが、』




『…奏乃は気づいてないでしょ。』





『…?』





『…私ずっと瑞輝のこと好きなのっ…。なのに、瑞輝は私には会ってくれない…。』




由宇ちゃん…。
私、気づいてたよ?




『…瑞輝は屋上に…』




『私が行った時は無視なの。』





『それは…』





『…奏乃は、瑞輝に好かれてていいよね!』




初めて見る、由宇ちゃんの怒った顔。
私に向けられてる怒った顔。

私はどうしたらいいかわかんなくて。
気づけば涙が出ていた。




『由宇。奏乃ちゃんに八つ当たりしてどうするの?話は分かんないけどさ、八つ当たりはダメだよ。』




『あっ…』





『由宇と奏乃ちゃんに何がったのか知らないけどさ、』





『…私、私だって由宇ちゃんばっかり、ずるいって思ってるもん…!』



私は精一杯の声を出して言った。




『…え?』




『…だって、私は桜月くんなのに、由宇ちゃん和泉だし、二人とも私のことはちゃん付けなのに由宇ちゃんは呼び捨てだし!』



勢い余っていろんなことを口走る。




『あっ…、ごめん今の忘れてください…』


恥ずかしさのあまり手で顔を隠す。





『…奏乃?』



由宇ちゃんじゃない、声が私の名前を呼ぶ。




『奏乃、って呼んでいいの?』




『…へ、』




『俺、呼んじゃだめなのかと思ってた。じゃあこれからは奏乃って呼ぶね?』



桜月くんがそう言ってわらった。
私は、きょとんとしたまま、桜月くんを見つめた。



『俺のことも和泉でいいよ?』



『や、やっぱり呼び捨ては無理!…由宇ちゃん、ごめんね。瑞輝のこと。』



『…私こそ。』




『今度一緒に会いに行こう?』




私は由宇ちゃんの前に立って、笑った。
由宇ちゃんはくすっと笑って、『うん!』と言ってくれた。