『で、2人はなんで喧嘩してたわけ?』






『…竜二が私のトマト食べたの。』







『…へ?』






『だってね、私がトマト好きなの知ってるはずなのに、勝手に食べてたの!』





『相変わらず、竜二は緋芽怒らせんのと得意だなー。』






『でも、智くん。俺は悪くねーよ。』






『ん?』







『だって、緋芽トマトだけ残して洗面所行ったんだぜ?いらないと思うだろ。』






『…竜二のアホ。行ってきます!!』






『あ、緋芽お弁当…!』







私は玄関を出て自転車のところまで行った。





『緋芽〜、お弁当忘れてるよ?』






私の頭にぽんと手を置いてそういったのは、葉くん。





『あ、ごめんね!ありがと!』






『竜二にもそれくらい素直ならいいんだけどね?』






『…葉くんまで。』






『うそうそ。行ってらっしゃい。気をつけるんだよ?』






『うん!』







私は自転車に乗ると、勢いよく漕いだ。